木下 美伽さん |
今回のアパレル部門は全体的にエレガントな作品が増えてきました。
グランプリの作品は、ファスナーのもつ硬さなどをうまく利用してシルエットを出していて、白と青の色のバランスが良かったです。「モンドリアン」は、使い方が今までにないもので、新しい提案をしてもらいました。優秀賞の作品などは、丈を少しカットすればすぐに実用化にむけて動き出せるのではないかというくらい完成度の高い作品になっていると思います。
ただ一つ気になったのは、服としてのバランスとかアイデアは素晴しいけれど、皆さんこれからプロとして仕事をやっていく為には、服の周りのアイテムについても、もっと自分でデザインしてみて完璧を目指して欲しいということです。
また「チャイルドスーツ」は、男性がこのようにスーツ姿で子どもをお世話しながら頑張ってるという新しい時代を予感させるような新しい提案でした。こういう作品もどんどん増えてくるといいなと思いました。 |
 |
小泉 忍さん |
デザイン画の時点でこれをどう形にできるかというのを非常に楽しみにしていたのですが、思っていたより素晴しいものが出来てきました。
金属やプラスチックのパーツを動きのある布と合わせて表情をどう変化させるかということまで考えて、最終的にそれが見える形でデザインするということの素晴しさは、クリエーションしていく中で活かしていくことだと思うのです。その中でもファスナーは、ファスナーとしての機能性も使いながらも、従来の開け閉めだけでない見せたりする部分に使用したりする人と違った発想があり、そういうところを伸ばしていってもらいたいと思います。 |
 |
城島 禎さん |
一次審査の画で見た段階で判断しなければならないことがいつも非常にもどかしいところで、出来上がった作品は僕の想像をはるかに超えるクオリティの高いものになっています。最初から作品があったら、違う結果もあるかなとも思います。
画をみていると、普段若い世代の人が着ている格好とはまったくかけ離れたいろんな創造力のある人がいるのだなと、とても救われました。感謝しています。 |
 |
藤田 恭一さん |
今回のレベルの高さというのは今まで以上に上がってきています。精度が上がって、服作りに真摯に向かうという気持ちが良く出ています。社会にでて何十年も仕事をしていると、カッティングについても、すごく基本的なバランスが蔑ろにされているものが出てきていますが、今回残った作品をみていると、バランスや分量が考えてられていて、それが精度が上がった要因だと思います。みなさんが社会に出た時、アイデアと平行してプロとしての仕事が望まれることも出てくるので、小さいところに気を使って服を作るという部分を通していってください。 |
 |
山下 隆生さん |
アパレル部門では、美しいパターン、美しいシルエットをすごく重要視して選びました。
グランプリのドレスなどについても、カッティングを入れるラインやシルエットが非常に美しいという声が先生方から沢山出ました。
ファッションとしての存在というのは、人を美しく活き活きさせるように見せていくもので、特にドレスはそうだと思います。そういう視点でYKKの商品を上手く活かしている作品が非常に多かったと感じております。 |