小泉 忍 |
今回のファッショングッズ部門はコンセプトのわかりやすいものが高評価を得ました。わかりやすく表現していることは重要ですが、仮にコンセプトがしっかりしていても、わかりやすぎて、もしくは捻りすぎて機能が伴わないとマイナス評価になります。細やかな素材選びと縫製やフォルムを突き詰めるということを大切にしてほしいです。日本人が持つ細やかさや気配りを込めてもらえば、いい作品になると思います。
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三原 英詳 |
最近はトレンドの流れというものがなくなっていて、自分の好きなものを突き詰めていった作品がこのアワードでは評価されています。まず何を表現したいかじっくり考えて作ることが必要です。単にアイデアだけで作るのではなく、わかりやすく且つポイントも押さえていて、我々に「何だろう」と思わせる作品をお願いします。プロは他人が使うことを前提に作品を作ります。是非他人が使うことを考えつつ「核」になるものを作りこんでいってほしいです。
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山下 隆生 |
実は毎回自分なりにテーマを決めて審査しており、今回は「原始(ルーツ)」「デジタル」とい相反する2つがテーマでした。原始とは、昨年の震災など、自然には勝てない地球のエネルギーに圧倒されつつもその中で「生き物」というものをデザインとしてどう表現するか。また「デジタル」は携帯電話などの発達で自分の脳だけでいろいろなことを実現できるようになった時代をどう表現するかでした。グラフィカル且つ二次元の世界を表現する作品の中、ファッショングッズ部門でグランプリを受賞した「アフリカ旅」はアフリカの大地・民族の生き抜く力がストレートに伝わりとにかく圧倒されました。また外見だけでなく細部までも丁寧に作りこまれていました。ファッショングッズ部門のスキルがますます上がっていると感じます。作品で伝えたいことは何なのか、コンセプトをしっかり置いて、それに技術やパーツを上手く組み合わせて素晴らしいファッションアイテムを生み出して欲しいです。 |
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ハン アンスン |
年々レベルが上がっており、このアワードのYKKファスニング商品の使い方は我々も勉強になっています。昨年と異なりカラフルな色使いが多くてよかったです。我々審査員は作品のコンセプトだけでなく縫製の状態などもかなり細かくチェックしています。また作品に加えポートフォリオもきちんと作っている作品の評価は高かったです。
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木下 美伽 |
作品を作るにあたっては本当に自分が好きなものは何かを考え、デザインの方向性を煮詰めていった方がいいと思います。自分がやりたいことをやっている作品には心惹かれます。しかしコンテストですので詰めが甘いと結果が違ってきます。100%じゃなくて120%、妥協せずにやったら結果は変わります。情熱を持ち、自分の好きな事を考え本当にこれでいいのかと自問自答を繰り返しながら、また周囲の意見を聞きながら作品を作っていってほしいです。
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藤田 恭一 |
デザインを表現することからはじめるということがとても脆弱になっていると思います。個人的には「passion(情熱を持つこと)」「emotion(自分の感情を大切にすること)」「fantasy(自分なりの夢・物語を考えること)」が忘れられている気がします。今回のファスニングアワードの受賞作はこの3つを込めようというのがひしひしと伝わってきました。就職しても、その3つを忘れずに、その会社がどのような夢を持っているかということを進んで表現して欲しいです。学生時代に培ったことを仕事に活かす上で、会社/自分/社会/世界の「fantasy」を忘れずに是非頑張ってください。
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YKK株式会社 代表取締役社長 猿丸 雅之 |
今年もファスニングアワードにたくさんご応募頂きありがとうございました。カラフルな作品が多く、日本人の気持ちが少し明るくなったようで嬉しかったです。また色が伝えるメッセージ性というものを再認識させて頂きました。年々レベルが高くなっている中でみなさんの「やり切った感」と最後の追い込みの差が、評価にわずかの違いを生んだのではないかと思います。弊社も元気を出してファスニング商品の供給を通じて陰ながらサポートして参ります。来年も素晴らしい作品をどうぞよろしくお願いいたします。
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