パッシブタウン第5期街区建築計画概要 カーボンニュートラルの実現に挑戦
2021年12月02日
YKK不動産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小林聖子)は、本日、黒部事業所50ビル(富山県黒部市)にてパッシブタウン第5期街区の建築計画概要を発表しました。第5期街区では、基本計画・基本設計(建築)を近代木造建築の世界的パイオニアであるHermann Kaufmann(ヘルマン カウフマン)氏が担当します。第1~3街区の開発で得られた知見やデータに基づくパッシブデザインをベースに、水素エネルギー供給システム※1Power to Gasを日本で初めて集合住宅に実装、春から秋にかけて太陽光発電で発生する余剰電力を水素に変換して貯蔵し、冬の電力供給に利用する、再生可能エネルギーのシーズンシフトに取り組みます。太陽光による創エネと、Power to Gasによる季節を超えての蓄エネに加え、県産木材を利用した北陸地域では初となる木造中高層集合住宅の計画により、カーボンニュートラルの実現に挑戦します。
第5期街区は、2013年6月にマスタープランを発表した※2パッシブタウン全体構想における最終街区となります。パッシブタウンの集大成として、クリーンエネルギーによる自立したまちづくりを目指します。尚、竣工は2025年3月を予定しています。
<設計コンセプトと建築計画の主なポイント>
①持続可能な森林資源の循環活用による北陸初の木造中高層集合住宅でCO2固定化
- ・第4期街区で確立した地元森林組合との共同による森林資源の循環活用で、県産木材の利用と新たな植林を推進し、カーボンニュートラルの実現を目指します
- ・木造中高層集合住宅として50~60年活用することによりCO2の長期固定化を図ります
②Power to Gasによる再生可能エネルギーのシーズンシフト
- ・春から秋にかけて太陽光発電で得た余剰電力で、水を電気分解し※3グリーン水素を生成、吸蔵合金と呼ばれる特殊な金属内に、安全な状態で貯蔵します
- ・冬場には、季節を超えて貯蔵した水素を吸蔵合金から取り出し、燃料電池で発電し、住戸に電力を供給します
- ・水素生成および水素を電気に戻す過程で発生する熱は、給湯に利用して、エネルギーを効率よく活用します
- ※ パッシブタウンとは・・・YKK不動産が富山県黒部市で取り組む風や地下水などの自然エネルギーを最大限に活用したローエネルギーな「まちづくり・住まいづくり」詳細:https://www.passivetown.jp/
- ※1 Power to Gas・・・余剰電力を気体に変換して貯蔵・利用する方法。太陽光など、気象変動によって発電量が異なる再生可能エネルギーを長期間、大容量貯蔵できる。
- ※2 パッシブタウン全体構想・・・2013年発表時のマスタープランでは2025年までに全9街区250戸を計画、その後、2016年の第3街区計画時に全6街区250戸に計画を修正。今回の第5期では第5及び第6期街区の予定地を全て使用し、全90戸を建築予定。これによりパッシブタウン全体では全5街区207戸の計画となる。
- ※3 グリーン水素・・・化石燃料に由来せず、水の電気分解によって生成される水素。