YKK株式会社 2025年度 連結決算のポイント

2026年05月14日

Ⅰ.YKKグループ連結業績

 当期における日本経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策のもとで緩やかな回復が続きました。一方で、物価の上昇や人手不足等による人件費の上昇が継続しており、金融政策の動向や為替変動も引き続き注視していく必要があります。
 世界経済は、全体としては底堅く推移したものの、米国の通商政策の動向、ウクライナ、中東地域の不安定な国際情勢、資源・資材価格の変動等が先行きの不透明感を高めており、慎重な見極めを求められる局面が続きました。
 その結果、当期の連結業績は、売上高は前期比0.6%減の9,925億円、営業利益は前期比25.0%減の467億円、経常利益は前期比22.5%減の544億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比40.2%減の316億円となりました。

Ⅱ.事業別連結業績

(ファスニング事業)
 当期のファスニング事業を取り巻く事業環境は、米国の通商政策や中東情勢不安等の通商リスク・地政学リスクの高まりにより、先行き不透明な状況が一段と強まりました。これに伴い、国際物流の混乱や原材料価格の高騰といった不確実性が増し、慎重な対応を求められる局面が続きました。
 このような事業環境のもと、継続的なコストダウンや重点アイテムの拡充を図ったものの、販売が伸びず減収となりました。
 地域別では、日本地域においては、海外会社向けの販売が伸びなかったものの、価格改定効果による増販となり、増収効果がありました。Americas地域においては、大手顧客のアジア縫製シフトによりジーンズ向け販売が低調で、減収となりました。Europe地域においては、納期対応、商品対応等の施策に加えて、トルコリラ安の為替影響により増収となりました。ISAMEA地域では、米国通商政策の影響により加工輸出向けの需要が減退し、減収となりました。ASEAN地域では、納期改善や新商品投入を進めましたが、米国通商政策や市況不透明感、縫製シフトの影響で減収となりました。中国地域では、米国通商政策による混乱と中国経済の低迷による販売不調で減収となりました。
 その結果、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、前期比0.4%減の4,314億円となりました。営業利益は、販売ボリュームの減少や操業度低下、インフレに伴う労務費上昇や原材料価格の高騰等の影響により収益性が低下し、前期比17.3%減の392憶円と、減収減益となりました。

(AP事業)
 当期のAP事業を取り巻く事業環境は、日本においては、資材価格の高騰や円安傾向の継続を受けて建築コストが上昇しました。新設住宅着工戸数は、建築基準法改正等を見据えた前年度末の駆け込みによる反動減は落ち着きを見せたものの、減少傾向が継続しました。断熱・省エネ改修需要は、3省連携補助事業(住宅省エネキャンペーン)により、特に第3四半期にかけて増加しました。また、建設業界における残業規制適用等に伴い、ビル物件の工期が長期化しました。海外においては、北米では金利の高止まりや資材価格の上昇等により、ビル・住宅市場において着工延期や進行遅延が発生しました。中国では市場の縮小傾向が継続し、台湾では住宅ローン規制により住宅着工市場は停滞、インドネシアでは物価上昇により住宅着工は前期を下回りました。
 このような事業環境のもと、日本における販売は、住宅用高断熱窓、内窓を中心としたリフォーム商品、ビル改装分野が伸長したものの、新築分野が伸び悩み、全体では前期を下回りました。海外における販売は、北米のビル建材では前期を上回った一方、住宅建材では前期を下回りました。中国では内需における高級住宅市場及び改装市場での拡販により、台湾では集合住宅物件の順調な施工進捗により前期を上回りました。インドネシアでは高級市場向け商品の受注不振等により前期を下回りました。
 その結果、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、前期比0.7%減の5,576億円となりました。営業利益は、原材料・資材価格の高騰、ロジスティクス費用や販管費の増加等の影響を価格改定や製造コストダウン等により吸収できず、前期比33.5%減の120億円と、減収減益となりました。