アルミ合金ファスナー用材料を100%「低炭素アルミニウム」に切替え ~2025年5月より全量切替え運用開始~
2025年05月22日
YKK株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松嶋耕一、以下YKK)は、アルミ合金ファスナーアイテム全てを環境配慮型ファスナーへ切替えるべく、ファスナー用に調達するアルミニウム合金線の全量を「低炭素アルミニウム(※1)」由来のものとする運用を開始します。
YKKは、アルミニウム材料を製造する住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上治)と富山住友電工株式会社(本社:富山県射水市、代表取締役社長:山本康夫)との三社で「低炭素アルミニウムの利用に関する契約」に合意し、2024年度よりアルミ合金ファスナー用材料として「低炭素アルミニウム」を使用した合金線の調達を開始し、順次、適用を拡大してきました。
YKKは、2050年までに「気候中立」を達成するための持続可能性目標である「YKKサステナビリティビジョン2050」を掲げ、「気候」「資源」「水」「化学物質」「人権」の5つのテーマで目標を設定し、それぞれに関連する10項目のSDGs達成に向けて取り組んでいます。「気候」テーマにおいては「SBTイニシアティブ」により認定されたネットゼロ目標のもと、自社およびサプライチェーンにおける温室効果ガスの排出量を2050年までにScope1、2において90%削減、Scope3において90%削減(ともに2018年度比)する取組みを推進しています(※2)。「低炭素アルミニウム」のファスナー用材料としての採用は、Scope 3での排出削減目標の実現に向けた取組みの一つです。
YKKではこれからもお客様やサプライヤーの皆様と協働し、環境に配慮した商品・技術の開発・拡販等を通じて温室効果ガス排出削減の取組みを加速させ、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
■YKK株式会社 執行役員 営業本部 商品戦略部長 九十九 孝司コメント
YKKはファスナー用繊維材料に再生材や植物由来材を使用し、その比率を上げる取組みを進めてきました。これに加え、水力発電等再生可能エネルギーを利用して作られた「低炭素アルミニウム」の活用を進めます。この取組みにより、温室効果ガスの排出量削減とともに、気候変動対策につながる商品として、アルミニウムの「軽量」、「ニッケルフリー、めっきレスでのシルバー色」といった特徴を活かしながら商品ラインナップを一新し、アパレルをはじめとした各種用途に幅広く採用される商品の開発に力を注いでいきます。
- ※1アルミニウムの製錬工程では多くの電力を必要とし、電力源により二酸化炭素の排出量が異なります。今回利用する「低炭素アルミニウム」の二酸化炭素の排出量は、再生可能エネルギーを電力源としているため、アルミニウム地金1トン製造するにあたり4トン以下であり、化石燃料を用いた火力発電等の電力源を利用した場合と比較し、二酸化炭素の排出量を大幅に削減しています。
- ※2残りの10%以内の排出量は炭素吸収や除去等によりゼロとする必要があります。
■商品紹介


■YKKデジタルショールーム
YKKのサステナビリティへの取組み、環境配慮型商品の詳細はYKKデジタルショールームでご覧頂けます。
■「YKKサステナビリティビジョン2050」と達成状況
2050年までに「気候中立」を達成するためのYKK株式会社の持続可能性目標。「気候」「資源」「水」「化学物質」「人権」の5つのテーマと、関連する10項目のSDGs達成にむけて取り組むとともに、YKK統合報告書「This is YKK」にて、毎年その達成状況を開示しています。
<ご参考>
■住友電気工業株式会社
1897年の創業以来、電線・ケーブルの製造技術をベースに、独創的な研究開発とあくなき新規事業への挑戦を通じ、新製品・新技術を創出し、事業領域を拡大。現在では、世界約40カ国、400を超えるグループ会社に約29万人の従業員を擁し、環境エネルギー、情報通信、自動車、エレクトロニクス、産業素材の5つのセグメントで、グローバルに事業を展開。
- ・ニュースリリース YKK向けファスナー用材料「低炭素アルミニウム」の使用を拡大
https://sumitomoelectric.com/jp/press/2025/05/prs067
■富山住友電工株式会社
住友電工グループの製造拠点として、アルミニウム、ニッケル等をベースとした高品質で高性能な電気・電子材料を製造。