YKK株式会社 2024年度 第3四半期連結決算のポイント

2025年02月13日

I.YKKグループ連結業績
 YKKグループの当第3四半期連結累計期間における売上高は7,519億円(前年同期比9.3%増)、営業利益は503億円(前年同期比14.8%増)、経常利益は583億円(前年同期比24.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は405億円(前年同期比30.7%増)となりました。

Ⅱ.事業別連結業績
(ファスニング事業)
 当第3四半期連結累計期間のファスニング事業を取り巻く事業環境は、アパレル小売市場では2022年来高止まりしていた在庫水準が適正な水準に戻りつつあるものの、世界的な物価高騰やエネルギー価格の上昇、欧州や中国経済の停滞、アメリカの政権交代による世界経済への影響等、景気の先行き不透明な状況が続いております。
 このような事業環境のもと、顧客要望納期対応をはじめとした施策の奏功により、ASEAN、ISAMEA、中国地域における加工輸出向け販売が好調に推移し、更に為替が前年同期比で円安に推移したことにより、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は前年同期比17.6%増の3,237億円となりました。営業利益は材料価格の高騰や労務費の上昇等の減益要因があったものの、販売ボリュームの増加及び操業度向上に加え、継続的なコストダウンの実施、為替影響等の増益要因により、前年同期比69.4%増の353億円となりました。


(AP事業)

 当第3四半期連結累計期間のAP事業を取り巻く事業環境は、日本国内においては、住宅価格の高騰継続により新設住宅着工戸数は前年同期を下回りましたが、3省連携補助事業により省エネ改修需要は、特に第3四半期において増加しました。海外においては、北米では、ビル建材市場は高金利による不動産市況の悪化により低調な状況が継続し、住宅建材市場は着工が前年同期を下回りました。中国では住宅購入支援策が打ち出されたものの市場は縮小傾向、台湾では住宅着工は増加しました。インドネシアでは住宅購入税制優遇による景気刺激策が2024年12月末まで実施されていました。
 このような事業環境のもと、日本国内においては、住宅用樹脂窓や、内窓を中心としたリフォーム商品、ビル改装の販売が好調に推移し、前年同期を上回りました。海外においては、北米ではビル建材、住宅建材ともに販売が前年同期を上回りました。中国では内需における中級住宅市場での販売が好調に推移しました。また、台湾では順調な物件施工により販売が好調に推移し、インドネシアでも販売が好調に推移しました。
 この結果、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は前年同期比3.6%増の4,255億円となりましたが、営業利益は資材価格の高騰や販管費の増加等の影響を製造コストダウン等で吸収できず、前年同期比36.5%減の162億円となりました。