YKK株式会社 2024年度 第1四半期連結決算のポイント

2024年08月08日

I.YKKグループ連結業績
 YKKグループの当第1四半期連結累計期間における売上高は2,480億円(前年同期比10.0%増)、営業利益は161億円(前年同期比4.3%増)、経常利益は189億円(前年同期比8.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は146億円(前年同期比29.9%増)となりました。

Ⅱ.事業別連結業績
(ファスニング事業)
 当第1四半期連結累計期間のファスニング事業を取り巻く事業環境は、世界的な物価高騰や欧米の金融引締めの継続、銅価格の上昇、コンテナ不足によるロジスティクスの混乱等により、景気の先行き不透明な状況が続いているものの、アパレル小売市場においてはコロナ禍以降高止まりしていた在庫水準が低下しています。
 このような事業環境のもと、顧客希望納期対応をはじめとした施策の奏功により、ASEANISAMEA地域における加工輸出向けや中国地域における内需向けにおいて、2024年秋冬物衣料品向けの受注・販売が好調に推移し、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は前年同期比23.6%増の1,158億円となりました。営業利益は、材料高騰やインフレに対応するための賃金改定実施による労務費の上昇等の減益要因があったものの、販売ボリュームの増加及び操業度向上に加え、継続的なコストダウンの実施等の影響により、前年同期比52.6%増の142億円となりました。

(AP事業)
 当第1四半期連結累計期間のAP事業を取り巻く事業環境は、日本国内においては、新設住宅着工戸数は共同住宅が前年同期より上回りましたが、一戸建が前年を下回ったため、全体では前年並みとなりました。海外においては、北米では、ビル建材市場は金利の高止まりによる不動産市況の悪化により低調な状況が継続、住宅建材市場は着工が前年同期より減少しました。中国では住宅購入支援策が打ち出されたものの市場は縮小傾向、台湾では住宅着工は減少しました。インドネシアでは住宅購入税制優遇による景気刺激策が打ち出されております。
 このような事業環境のもと、日本国内においては、住宅分野では樹脂窓やリフォーム商品等の販売が前年同期を上回ったものの、国内全体では下回りました。海外においては、北米ではビル建材、住宅建材ともに販売は前年同期を上回りました。中国では内需における中級市場での販売が好調に推移しました。また、台湾では順調な物件施工により販売が好調に推移し、インドネシアでも販売が好調に推移しました。
 この結果、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は前年同期比0.2%増の1,315億円、営業利益は、資材価格の高騰や販管費の増加等の影響を、製造コストダウン等で吸収できず、前年同期比59.2%減の30
億円となりました。