YKK株式会社 2023年度 第1四半期連結決算のポイント

2023年08月09日

I.YKKグループ連結業績
 YKKグループの当第1四半期連結累計期間における売上高は2,255億円(前年同四半期比3.3%増)、営業利益は154億円(前年同四半期比12.4%減)、経常利益は175億円(前年同四半期比11.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は112億円(前年同四半期比15.3%減)となりました。

Ⅱ.事業別連結業績
(ファスニング事業)
 当第1四半期連結累計期間のファスニング事業を取り巻く事業環境は、世界的な物価高騰や金融引き締めの継続、中国経済の回復鈍化などにより、景気の先行き不透明な状態が続いています。欧米を中心としたアパレル小売市場では、市場の回復鈍化により、顧客在庫が高止まりしています。
 このような事業環境のもと、鞄分野向け、車両部材分野向け及び官需分野向け販売が好調に推移したものの、ジーンズなどのアパレル分野向けの販売が低迷しました。また、ASEAN、ISAMEA地域を中心に2023年秋冬物衣料品向け販売の早期終了や顧客の在庫調整を受けて、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は前年同四半期比10.0%減の937億円となりました。営業利益は、為替変動等に対する適切な価格調整の実施や継続的なコストダウンなどの増益要因があったものの、燃料や物流価格の高騰に加え、販売ボリュームの減少及び操業度低下の影響が大きく、前年同四半期比45.2%減の93億円となりました。

(AP事業)
 当第1四半期連結累計期間のAP事業を取り巻く事業環境は、日本国内においては、住宅価格の高騰継続により、新設住宅着工戸数は前年同四半期を下回りましたが、3省連携による住宅省エネ2023キャンペーンにより、リフォーム需要が旺盛になっております。北米では、ビル建材市場は不動産市況の悪化や金利上昇により着工の緩やかな後退がみられる一方、住宅建材市場は中古住宅の在庫不足から新築住宅の需要が回復しつつあります。中国では、各種の住宅支援策が打ち出されたものの、住宅取引は軟化しています。台湾では建設現場での人手不足が徐々に解消されてきました。インドネシアでは市場が新型コロナウイルス感染症流行前の水準まで回復しました。
 このような事業環境のもと、日本国内においては、住宅分野で樹脂窓、アルミ樹脂複合窓に加えて、内窓を中心としたリフォーム商品の販売が好調となり、ビル分野でも販売が好調に推移しました。海外においては、北米や台湾では順調な物件施工により販売が伸長し、インドネシアでは住宅分野でアルミ窓、ドアの販売が好調に推移しました。
 この結果、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は前年同四半期比16.0%増の1,312億円、営業利益は、資材価格の高騰や販管費の増加などの影響を販売ボリューム増加や価格改定、製造コストダウンにより吸収し、前年同四半期比687.2%増の74億円となりました。