YKKベトナム社がファスナー染色助剤を、植物性食用油廃棄物を再利用した助剤に切替え ~パタゴニア社、ERCA社、YKKベトナム社が持続可能な社会の実現に向けて協働~

2023年05月25日

 YKK株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大谷裕明、以下YKK)のグループ会社であるYKKベトナム社は、この度、米国アウトドア企業パタゴニア(※1、以下パタゴニア社)とイタリア薬品メーカーERCA SPA(※2、以下ERCA社)と協働し、ERCA社が開発した植物性食用油等の廃棄物を再利用した染色助剤REVECOL®を、ファスナーの染色工程に展開することに成功したことをご報告します。
 ファスナーテープ・チェーンの染色工程においては、効率的・効果的に染色するための染色助剤(薬剤)が使用されています。ERCA社では、植物性食用油などの廃棄物をアップサイクルした染色助剤REVECOL®2019年に開発しており、この度、パタゴニア社、ERCA社、および、YKKベトナム社の協働が実現し、REVECOL®をファスナーテープ・チェーンの染色工程に展開することに成功しました。YKKベトナム社ハナム工場において、このERCA社製染色助剤への切替えが完了し、同社ニョンチャック工場においても、今秋までに切替えが完了する予定です。この度の切替えにより、カーボンフットプリント(CFP)は72%削減(※3)、染色助剤の年間使用量は2030%削減(※4)できる見込みです。  
 尚、68日から14日までイタリア・ミラノで開催される展示会「ITMA 2023」(※5)にて、3社による共同イベントを開催予定です。
 YKKは、2050年までに「気候中立」を達成するための持続可能性目標「YKKサステナビリティビジョン2050」のもと、「気候」「資源」「水」「化学物質」「人権」の5つのテーマと関連する10項目のSDGsの達成に向けて取り組んでいます。「気候」のテーマにおいては、「SBTイニシアティブ」により認定された「1.5度目標」のもと、自社およびサプライチェーンにおける温室効果ガスの排出量を、2030年までにScope1250%削減 (2018年比)Scope330%削減 (2018年比) することに取り組んでいます。「化学物質」のテーマにおいては、製品製造における入口から出口までの化学物質使用を管理し、化学物質の使用削減を更に進めています。
 YKKでは、これからも、アパレルブランドやサプライヤーの皆さまと協働し、環境に配慮した商品の開発・拡販等を通じて、アパレル産業における持続可能な社会の実現に向けた取組みを加速させてまいります。

11973年にイヴォン・シュイナードによって設立された、米国カリフォルニア州に本社をおくアウトドア企業。URL: https://www.patagonia.jp/
2E.R.C.A. ESPERIENZE RICERCHE CHIMICHE APPLICATE S.P.A. イタリア・ミラノに本社をおき、繊維産業向け化学助剤の製造・販売を行う。ERCA SPA(ERCA GROUP)の一社。URL:https://www.ercatcs.com REVECOLE.R.C.A. ESPERIENZE RICERCHE CHIMICHE APPLICATE S.P.A.の登録商標です。
3Bluesign® Product Carbon Footprint Reportより。ERCAが製造する従来の染色助剤とREVECOL®との比較。Bluesignは、bluesign technologies agの登録商標です。
4YKKベトナム社ハナム工場で生産した場合の年間想定使用量。従来の染色助剤とREVECOL®との比較。
5ITMA 2023 (URL:https://itma.com)

■「YKKサステナビリティビジョン2050」と達成状況
 2050年までに「気候中立」を達成するためのYKK株式会社の持続可能性目標。「気候」「資源」「水」「化学物質」「人権」の5つのテーマと、関連する10項目のSDGsの達成にむけて取り組むとともに、YKK統合報告書「This is YKK」にて、毎年その達成状況を開示しています。尚、2022年度の実績は、20238月に開示予定です。
https://www.ykk.co.jp/japanese/corporate/csr/eco/report/index.html