YKK株式会社 2022年度 第3四半期連結決算のポイント

2023年02月09日

I.YKKグループ連結業績
 YKKグループの当第3四半期連結累計期間における売上高は6,685億円(前年同四半期比12.7%増)、営業利益は459億円(前年同四半期比9.2%減)、経常利益は500億円(前年同四半期比5.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は353億円(前年同四半期比2.8%減)となりました。

Ⅱ.事業別連結業績
(ファスニング事業)
 当第3四半期連結累計期間のファスニング事業を取り巻く事業環境は、世界的な物価高騰及び金融引き締め、中国ゼロコロナ政策の転換による混乱などにより、景気の先行き不透明感が高まっております。欧米を中心としたアパレル小売市場では、市場回復の勢いが減退し、顧客在庫が増加傾向にあります。
 このような事業環境のもと、中国、ISAMEA地域では市況悪化や顧客の在庫調整を受けて受注が減速したものの、Europe地域での高級鞄分野向け及びASEAN地域でのスポーツ分野向け販売が好調に推移し、更に前年同期比での円安進行による為替影響により、売上高(セグメント間の内部売上を含む)は前年同四半期比12.9%増の2,886億円となりました。営業利益は、原材料価格の高騰や輸送運賃の上昇、販売ボリュームの減少及び操業度の低下の影響があったものの、原材料価格高騰に対する適切な価格調整の実施や継続的なコストダウン、更に前年同期比での円安進行による為替影響などの増益要因により、前年同四半期比6.4%増の363億円となりました。

(AP事業)
 当第3四半期連結累計期間のAP事業を取り巻く事業環境は、日本国内においては、資材価格の高騰や住宅設備の納期遅延が継続する中、新設住宅着工戸数は前年を下回りました。海外においては、北米では市場が好調に推移しております。中国では不動産規制の緩和が進んだものの市場の低迷が継続しております。アジアでは、インドネシアでコロナ禍からの回復傾向にある一方、台湾、シンガポールで新型コロナウイルス感染症の影響による物件現場進捗の遅れが継続しております。
 このような事業環境のもと、日本国内においては、住宅分野では樹脂窓、アルミ樹脂複合窓等の販売が好調に推移し、ビル分野でも販売が好調に推移しました。また、10月には、障子に樹脂、枠にアルミ樹脂複合を採用することにより高い断熱性で大開口を実現した住宅用樹脂窓「APW331」ハイブリッドスライディングを発売しました。同じく10月には、耐熱強化ガラスと大開口の片引き窓との組み合わせでクリアな視界と防火性能の両立を実現したビル用防火窓「BGE31」片引き窓 耐熱強化ガラス仕様を発売しました。海外においては、北米やインドネシアで販売が好調に推移し、中国でも、市場が悪化している中、販売が前年を上回りました。
 この結果、売上高(セグメント間の内部売上を含む)は前年同四半期比12.6%増の3,765億円、営業利益は、販売ボリュームの増加や価格改定、製造コストダウンがあったものの、資材価格高騰影響を吸収できず、前年同四半期比23.9%減の127億円となりました。