YKK株式会社 2019年度 第3四半期連結決算のポイント

2020年02月10日

I. YKKグループ連結業績

 YKKグループの第3四半期連結累計期間における売上高は5,575億円(前年同期比3.5%減)、また営業利益は353億円(前年同期比30.8%減)、経常利益は353億円(前年同期比31.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は258億円(前年同期比34.9%減)となりました。

II. 事業別連結業績

(ファスニング事業)

 ファスニング事業を取り巻く事業環境は、米中貿易摩擦への懸念が継続する中、世界経済の成長鈍化に伴う景況感の悪化から、欧米や中国、またアジアの新興成長国において継続的にアパレル小売市場の成長に減速感が見られました。このような事業環境のもと、ファスニング事業の売上高(セグメント間の内部売上を含む)は、中国内需市場向けで着実な拡販施策の実行により前年並みの販売を維持したものの、衣料品分野では中国・アジアにおける欧米向け加工輸出市場への販売や新興国内需市場への販売が減少、また鞄分野では日本国内の販売が減少し、2,320億円(前年同期比7.7%減)となりました。営業利益は、継続的なコストダウンの実施や原材料価格下落による増益があったものの、販売ボリューム減少や操業度低下、設備投資の拡大や営業・開発等の機能強化による固定費負担が大きく、294億円(前年同期比29.7%減)となりました。

(AP事業)

 AP事業を取り巻く事業環境は、日本国内の新設住宅着工戸数において持家は増加しましたが、貸家と分譲住宅が減少し、全体として減少傾向で推移しました。海外においては、米中貿易摩擦による中国経済の減速など、不透明感が増しています。このような事業環境のもと、日本国内では住宅の断熱化や耐震化が求められる中、全国各地のリノベーション事業者と連携し中古戸建住宅の性能向上を実証する「戸建性能向上リノベーション実証プロジェクト」の展開を強化し、高性能トリプルガラス樹脂窓「APW 430」シリーズや開口部耐震商品「FRAME II」の提案を推進しました。海外では、売上高は前年同期に対して若干落ち込んだものの、営業利益は米国・中国がけん引し安定した収益を確保しています。この結果、売上高(セグメント間の内部売上を含む)は3,217億円(前年同期比0.3%減)、営業利益は、製造コストダウンがあったものの、販売管理費の増加等により、197億円(前年同期比0.2%減)となりました。

以上