YKK株式会社 2022年度 第1四半期連結決算のポイント

2022年08月10日

I.YKKグループ連結業績
 YKKグループの第1四半期連結累計期間における売上高は2,182億円(前年同四半期比14.1%増)、営業利益は176億円(前年同四半期比9.5%増)、経常利益は197億円(前年同四半期比 20.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は133億円(前年同四半期比15.0%増)となりました。

Ⅱ.事業別連結業績
(ファスニング事業)
 当第1四半期連結累計期間のファスニング事業を取り巻く事業環境は、コロナ禍からの世界的な経済回復により欧米を中心としたアパレル小売市場は回復基調を持続しました。一方、ウクライナ情勢緊迫化で加速した物価高の影響を受け、米国を筆頭に金融緩和政策から急速な引き締めへの転換が図られるなど景気の不透明感が高まりました。加えて中国のゼロコロナ政策に基づく都市封鎖などに伴い、当社の一部拠点も操業制限を余儀なくされました。
 このような事業環境のもと、中国では都市封鎖の影響を受け売上が落ち込んだものの、Europeでのジーンズ、鞄分野向け、及びASEAN地域でのスポーツ分野向け販売などが好調に推移し、売上高(セグメント間の内部売上を含む)は前年同四半期比16.5%増の1,041億円となりました。営業利益は、原材料価格高騰や輸送運賃の上昇などの減益要因があったものの、販売ボリュームの増加及び操業度の向上に加え、継続的な販管費抑制の取組み、及び急速に進んだ円安による増益影響などにより、前年同四半期比41.5%増の169億円となりました。

AP事業)
 当第1四半期連結累計期間のAP事業を取り巻く事業環境は、日本国内では、資材価格の高騰、各種建築資材の不足や住宅設備の納期遅延が継続する中、新設住宅着工戸数は5月から前年同月比で減少に転じ、累計期間では前年を下回りました。海外では、北米では市場が好調に推移、中国では不動産規制の緩和が進み市場の緩やかな回復が見られます。台湾、シンガポールでは、新型コロナウイルス感染症による物件現場進捗の遅れが継続しております。
 このような事業環境のもと、国内においては、樹脂窓、アルミ樹脂複合窓等の販売が好調に推移しました。また、4月には、ハンドレールシリーズ「内勾配笠木仕様」のフルリニューアルを行い、外壁の雨垂れ汚れを軽減する高い水切り性能、スリムな意匠性を実現しました。6月には、さまざまな窓リフォームのニーズに対応するため、短時間でかんたんに窓交換ができる「マドリモ 断熱窓 マンション用」に窓種追加を行いました。海外においては、市場が回復している北米、中国地域を中心に販売が好調に推移しました。
 この結果、売上高(セグメント間の内部売上を含む)は前年同四半期比11.9%増の1,131億円、営業利益は、販売ボリュームの増加や製造コストダウンがあったものの、資材価格高騰影響を吸収できず、前年同四半期比78.7%減の9億円となりました。