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【It's Not Just A Zip #05】ファッションにおけるペットボトルとリサイクルについて

2020年4月24日

ペットボトルは、人々が生きる上で必要な水を気軽に運ぶことができ、どこでも乾きを癒してくれる便利な容器。しかも安価で丈夫。そのため、世界中どこでも見かけるものになりました。
人々の生活を便利にしたペットボトルですが、大量消費によって、世界中で多くの深刻な問題が発生しています。続いてはリサイクルと廃棄問題の現状について考えてみたいと思います。

再びペットボトルになるのは約6%

ペットボトルのリサイクル率は、全体で約30%と推定されています。リサイクルされたペットボトルはさまざまな製品の素材として作り変えられていますが、その中でもペットボトルとして再生されるもの(ボトルtoボトル)は、そのさらに1/5の約6%~7%に過ぎません。
ボトルtoボトルのリサイクルにはケミカルリサイクルとマテリアルリサイクルがあります。このうちのケミカルリサイクルであれば、より純度の高い品質の再生ペレットを生産できますが、化学処理と多くの電力を必要とします。マテリアルリサイクルは高い洗浄技術による物理的処理を経て、再生ペレットを製造するため、汚染物質の排出やエネルギー利用がケミカルリサイクルと比較して少なく、環境負荷の軽減においては優れた手法です。
一方、ペットボトル以外の再生はどうでしょうか?リサイクル材の約半分は繊維としてリサイクルされ、フリースといった衣類やカーペットなどに作り替えられます。500mlのペットボトル25本でフリースの上着が1着製造できます。その他、配水管などの建材にも活用されています。

では、リサイクルされていないペットボトルはどこへいくのでしょうか?
これらは基本的にゴミ処理場で焼却処分されるか、最終埋立地に埋め立てられるか、もしくはそのまま海に流れ出てしまっています。
中でも問題となっているのは、海への流出。海に流れ出たペットボトルは紫外線や波の力にさらされ、5mm以下のマイクロプラスチックとなります。ここまで細かくなると回収するのは困難となり、食物連鎖によって魚や海鳥などの生物にも蓄積。その他の汚染物質とも結びつくことで人体にも影響を与えることが知られています。

YKKが提案するリサイクルファスナーの特長とは?

YKKは主力商品であるファスナーにペットボトルやポリエステル繊維を再利用した商品、NATULON®を開発。循環型社会の実現に共感する多くのファッションブランドに採用されています。
NATULON®にはケミカルリサイクルとマテリアルリサイクルの2タイプがあり、明確に分類されています。
ケミカルリサイクルタイプのNATULON®は廃繊維ポリエステルを化学的に分解し、高純度ポリエステル原料として再利用しています。ECO-MARKを取得しています。
マテリアルリサイクルタイプのNATULON®はペットボトルを粉砕・洗浄後、溶解した再生材料を利用する技術を使ったリサイクルファスナーです。NATULON®を使用することで、たとえば60cmのファスナー10,000本あたり、ペットボトル3609本分(29g/本として)の相当の環境への負担を軽減することができます。

ファッション業界の一端を担うYKKは、廃棄物削減への取り組みを企業が社会に対して負うべき責任の1つとして考え、さらに積極的に推進していく予定です。
耐久性やデザイン性を持ちながらも、環境への負荷を最小限にしたファスニング商品を今後も追求し、リユース、リサイクルに積極的に取り組むことでゴミを減らしながら、より持続可能なサプライチェーンの確立を目指していきます。

  • この記事は以下を元に再校正し掲載しています
  • NATULONはYKK株式会社の登録商標です