ニュースリリース

2016年5月30日 
YKK株式会社 2015年度 連結決算のポイント

I.YKKグループ連結業績

 当社グループは2013年度にスタートした第4次中期経営計画の達成に向けて一層の努力を継続してまいりました。第4次中期事業方針として、ファスニング事業本部と工機技術本部を擁する当社では「『技術の進化と革新』-既存ビジネスの進化と革新による量的成長」を、AP事業を中核とするYKK AP㈱では「商品力・提案力によるAP事業の持続的成長」を掲げておりますが、2015年度は、第4次中期経営計画前半に仕込みを行なった施策の成果を出す年と位置づけ、施策効果を確認するとともに、当該計画と乖離がある点については、その解消に向けた対応に積極的に取り組んでまいりました。
 その結果、当社グループの当期連結業績は、売上高は前期比2.9%増の7,419億円、営業利益は前期比3.6%増の691億円、経常利益は前期比1.8%増の709億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比5.0%減の446億円となりました。

II.事業別連結業績

(ファスニング事業)
 ファスニング事業を取り巻く事業環境は、米国・欧州を中心とした緩やかな経済環境の回復と同様にアパレル市場も緩やかに拡大しておりますが、銅・亜鉛などの原材料価格下落に伴い、市場からの価格引き下げの要求が高まっております。中国においては、加工輸出市場ではアジア他国への縫製移行が加速したため、縫製市場の縮小が見られましたが、内需市場では経済成長が減速する中でも個人消費が堅調に推移したため、市場は拡大しております。こうした環境の中、ファスニング事業の業績は、日本・米国・欧州を中心とした量販店向け新規顧客の獲得や、中国内需市場での拡販、インドネシア銅合金ワイヤー・スライダー工場の稼働を含むアジア供給体制強化による既存顧客の増産捕捉の施策が奏功し、増収増益となりました。

 地域別では、南米においては、ブラジル経済悪化の影響で減収となり、EMEA(欧州・中東・アフリカ)においては、ロシア経済低迷が域内に影響したことに加え、中国の倹約令で高級品分野の販売が落ち込んだことなどで減収となりました。日本においては、米国系高級鞄向けの顧客への販売が好調であったことなどにより販売を伸ばしましたが、グループ会社向けの材料供給の減少に伴い、増収減益となりました。北中米においては、開発強化による新規需要獲得で車両分野向けを中心に販売を拡大し、中国においては、他地域への縫製移行による競争の激化はありましたが、内需顧客の新規開拓を進めたことなどで増収となりました。アジア(中国・日本を除く)地域においては、顧客の増産や縫製移行に伴う需要を供給体制の強化により着実に捕捉し、堅調な販売を維持することができました。

 その結果、売上高(セグメント間の内部売上を含む)は前期比4.3%増の3,266億円となりました。営業利益は、中国・アジア地域の人件費単価上昇、供給力増強に伴う製造固定費増加、次期中期経営計画に向けた製造・開発基盤強化費用が減益要因となりましたが、販売ボリューム増加及び継続的なコストダウンに加え、原材料価格低下などの要因により、前期比5.7%増の606億円となりました。

(AP事業)
 
当期のAP事業を取り巻く環境は、日本国内では、20144月の消費税増税の影響が収束し、新設住宅着工戸数は20154月~20163月で92万戸(前期比4.6%増)と、前年度の反動減から回復基調となりました。海外では、米国で緩やかな経済成長が見られる一方、中国・アジア不動産市場の停滞が続いております。このような事業環境の下、2013年度よりスタートした第4次中期事業方針に掲げる「商品力・提案力によるAP事業の持続的成長」に向けて事業を推進してまいりました。

 「窓事業の拡大」では、樹脂窓の充実として201510月に「APW430ツーアクション窓」を発売し、更なる樹脂窓の提案強化を継続的に行ってまいりました。また、全国21都市において「APWフォーラム2015」を開催し、住宅業界の関係者に住宅における窓の断熱性能の重要性について説明し販売を促進いたしました。「リフォーム分野の強化」では、2015年4月に「かんたんドアリモ」を投入し、ドアの取り換え需要の喚起を図りました。「エクステリア商品力の強化」では、ルシアスシリーズによる開口部から繋がる外構商品のコーディネイト提案の強化により、販売拡大に繋げることができました。「ビル事業の強化」については、提案営業を強化すべく、省エネ(断熱・換気)提案商品として「EXIMA31バランスウェイ」、「EXIMA31ウインドキャッチ」、「換気機能付き玄関ドア」を投入しました。改装分野では、非居住改装強化に向け新工法商品の「SYSTEMA31Br」を投入し、集合住宅・非居住分野それぞれでの「商品」、「工法」の差別化提案で改装需要喚起を図りました。

 その結果、日本国内の販売ボリューム増加により、AP事業の売上高(セグメント間の内部売上高含む)は、前期比1.4%増の4,082億円となりました。営業利益は、製造コストダウン、価格改定などの施策により増益効果がありましたが、円安の影響による原材料価格の上昇や、海外物件で大きな損失を計上し、全体では前期比3.2%減の243億円となりました。

(その他)
 
その他の事業につきましては、アルミ製錬事業、国内不動産事業等を行っております。
 その他の事業の売上高(セグメント間の内部売上を含む)は前期比9.7%増の700億円、営業利益については、前期比56.6%減の7億円となりました。

  2016年3月期 決算短信(連結)はこちらをご覧ください。

以上

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