ニュースリリース

2010年3月2日 
YKKグループ
― 2009年度連結業績と2010年度経営方針 ―

1. YKKグループ 2009年度 連結業績

〇2009年度の振り返り

 YKKグループにとって2009年度は、第3次中期経営計画の初年度となります。リーマンショックに端を発した世界的金融危機により先行きが不透明な厳しい事業環境ではありましたが、2009年3月に、2009~2012年度までの第3次中期経営計画を発表いたしました。第2次中期経営計画で各事業が取り組んだ「事業価値の更なる向上」の中期経営方針の達成状況を基に、第3次中期経営計画では「事業価値の確立」「ブランド価値の確立」をYKKグループの中期経営方針として掲げ、各事業がそれぞれの課題に取り組んでおります。
 中期経営計画の策定にあたっては、世界同時不況による市場の低迷を予測していましたが、2009年度は、予測を上回る市場悪化の影響を各事業が受けました。結果的には、2009年度事業計画の方向性はあっていましたが、その見方には甘さがでた形となりました。

〇連結業績の推移

 YKKグループは2010年度より会計期間を国内外ともに4~3月に統一いたします。従来、国内会社は4~3月、海外会社は1~12月で決算を行っておりましたが、連結経営体制を強化し、適時性を高めるために、2010年度よりYKKグループ全体の連結会計期間を統一することといたしました。そのために、2009年度は国内4~3月の12ヶ月間・海外は2009年1~12月に2010年1~3月を加えた15ヶ月間の数値が対外的な公表数値となり、売上高は5,537億円、営業利益148億円、純利益は17億円となる見込みです。
 その一方で事業の連続性を確認するための12ヶ月期間での業績数値は、売上高は5,098億円で前年に対して1,036億円の減収となりました。営業利益については、製造コストの合理化等により298億円の増益効果があったものの、販売の落込みによる影響を補えきれず、103億円となり前年に対して139億円の減益となる予定です。当期純利益は、昨年度は特殊要因(繰延税金資産取崩し等)があったために増益となりますが4億円の欠損となる見込みです。

〇ファスニング事業

 ファスニング事業の2009年度の売上高は、12ヶ月ベースでは対前年比82.1%の2,113億円となる見込みです。2009年度当初は欧州を中心とした高級分野への開発体制の強化に取り組んでまいりましたが、リーマンショック以降の市況低迷や低価格志向といった市場構造の変化に伴い、全ての販売戦略の大前提と言えるコスト競争力の向上を最大の課題としてマーケティング・販売・開発・製造一体となった取り組みを行ってまいりました。しかし、急激な市場構造の変化に対応しきれず減収となりました。営業利益は、対前年比74.2%の237億円となる見込みです。ファスニング事業全体として販売ボリューム減少による大きな減益を埋めるべく、固定費削減を中心に取り組みましたが、特に日米欧といった消費国を中心とした構造改革のスピードが追いつかず、減益となりました。国内12ヶ月・海外15ヶ月の業績は、売上高2,468億円、営業利益281億円となります。

〇建材事業

 建材事業の2009年度の売上高は、12ヶ月ベースでは対前年比83.8%の2,931億円となる見込みです。特に国内の事業環境は新設住宅着工戸数、着工建築物ともに大幅に落ち込み、建材事業全体の売上に大きく影響を与えました。営業利益は、残念ながら2期連続の赤字となる57億円の欠損となる見込みです。海外事業は進出7ヶ国/地域共に黒字を確保する見込みですが、国内事業の売上低迷をコストダウンで補いきれず、結果として減収減益を推定しております。国内12ヶ月・海外15ヶ月の業績は、売上高3,010億円、営業利益56億円の欠損となります。

2. YKKグループ 2010年度 経営方針

(1) YKKグループ 2010年度 経営方針

〇第3次中期経営計画の最重要ポイント

 中期経営計画達成に向けての最重要ポイントは以下の2点です。2010年度は中期計画2年目の年として一層、取り組みを強化してまいります。

「売上が伸びない事業環境下でも利益を確保する体制づくり」
「技術力の更なる強化」

〇技術力の更なる強化

 中期経営計画の最重要ポイント「技術力の更なる強化」について、各事業において更に取り組んでまいります。
 ファスニング事業では、2009年度、地域R&D体制の強化の第一段階としてイタリアのR&D機能を強化いたしましたが、2010年度はイタリアを中心としたハイファッション分野への対応を本格化させてまいります。併せて主戦場となる中国においても、地域特性に適合した商品開発機能の強化を行なってまいります。また、商品を投入するまでの開発期間のスピードアップを図るべく商品・金型・装置一体となった設計機能を拡充してまいります。
 建材事業では、環境負荷の軽減、ストック型社会へ対応するために窓事業において、高断熱化技術や窓リフォーム技術を強化いたします。また、住宅・ビルの環境負荷を評価する技術、更にグローバル視点での商品技術を強化してまいります。
 工機では、YKKグループの技術の中心としてこれまで以上にファスニング・建材の両事業競争力を支える部門として強化してまいります。YKKグループの技術の中核機能を集中・集約させ、技術開発力強化のスピードアップを図ると共に、これまでの工機事業本部を2010年度より「工機技術本部」と改め、「基盤技術開発部」「製造技術開発部」「機械製造部」の3つを柱とした体制に再編いたします。この体制にて、ファスニング事業・建材事業それぞれの事業環境の変化に対応して「グループ事業競争力の向上に向けた技術開発力の強化」に取り組んでいきます。この組織変更により、工機は従来の事業本部の位置づけから、研究開発機能も有した「工機技術本部」 としてファスニング・建材事業を支える技術集団に生まれ変わります。

〇YKKグループ 経営体制

 YKKグループは世界の71の国/地域、114社で事業活動を行っています。今後もファスニング事業、AP(建材)事業の二つの中核事業を軸に世界の6極にてグローバルな経営を展開してまいります。

(2) ファスニング事業 2010年度 事業方針

 ファスニング事業は以前から縫製産業が先進国から新興国に移動する潮流に対応して、アジアを中心とした生産国への積極投資を続けてまいりました。しかしながら、リーマンショックに端を発した世界同時不況による市況低迷・低価格志向・アパレル消費の減少といった事業環境の大きな変化に直面し、2009年度は特に前半は低迷を続けたものの、後半から在庫調整が一巡したことによる補充オーダー急増により一時的に市場規模は上向きました。2010年度前半にかけてはこの傾向が継続する見込みですが、それ以降も継続するかは不透明であり2010年度後半の動向は引き続き慎重に見極める必要があります。そのために、低価格志向への対応・収益改善策・新たな成長戦略の確実な実行・達成が必要と考えております。
 ファスニング中期事業方針「商品・技術による事業競争力の強化」に基づき、2010年度も引き続き「顧客タイプ別取り組み強化」「コスト競争力の徹底追及」を重要課題と考えております。これらの課題に対して、消費国と生産国のそれぞれの地域で対応を行なってまいります。「顧客タイプ別取り組み強化」においては、ファスニングのお客様を顧客ニーズ毎に区分管理し、取り組んでまいります。具体的には高級ファッションブランド・高機能スポーツアパレル・ファストファッション・量販店向けといった様々な顧客のタイプ別に対応してまいります。そしてそれぞれセグメント毎のニーズにあった商品をマーケティング・営業・開発・製造一体となって投入していきます。ハイファッション向けにはクリスタル入りの引き手をSWAROVSKI社とのコラボレーションで開発し、最高級品質ブランド「エクセラ」に取り付けたファスナーを開発しました。高機能アパレル向けには挿入部の操作性を格段に向上させた「ez-TRAK」をプロモーションしてまいります。ファストファッションやスポーツアパレルで好評な商品として、高級感があり軽量でしかもバリエーションに富んだ金属調樹脂射出ファスナー「メタルックス」があります。また、アウトドア関係を中心に環境対応商品のニーズが高まっており、ファスニング商品のラインナップを確実に拡充してまいります。
 2010年度事業計画は、売上高は2,077億円、営業利益は235億円を計画しています。前提条件となる2010年度事業計画レートは1ドル=90円、1ユーロ=120円、人民元=13.2円で設定しております。2010年度計画は2009年度推定と比較すると減収減益の計画となっておりますが、2010年度計画レートで2010年度と2009年度を比較すると、売上で27億円、営業利益で4億円の増収増益の計画となります。

(3) 建材事業 2010年度 事業方針

 国内建材事業の構造改革を計画より前倒しして進めます。更に特別強化分野として窓リフォームへの取り組みと海外市場新規開拓を行ってまいります。日本における温室効果ガス排出量削減には住宅の窓を断熱化することが重要であり、それに対応するためのさまざまな政府施策が始まっていますが、YKK APにおいても、窓リフォームを推進するために、消費者に分かりやすいメニューで提案していきます。また、中期経営方針では海外建材事業の拡大をテーマとしています。これまでの7ヶ国・地域での事業拡大も推し進めますが、新たにインド・マレーシア・ベトナムの3カ国に進出すべく事業化調査を始めました。
 更に、窓事業の首都圏での供給基地として、埼玉窓工場を建設します。第一期工事を2010年6月に着工し2011年7月に操業する予定です。設備投資額は約110億円となります。
 上記の取り組みにより、2010年度事業計画は、売上高は2,983億円、営業利益は22億円を計画しています。

(4) 2010年度連結収支計画

 YKKグループ全体での2010年度の収支は、売上高は5,113億円、営業利益が91億円増の194億円と売上が伸びない中でも収益力を高め、営業利益率は2008年度並の3.7%、純利益は110億円を計画しております。

 2010年度は中期経営計画の2年目となりますが、今中期経営計画達成に向けた重要な年と位置づけております。2009年度に落ち込んだ本業での業績回復を図り2010年度事業計画の達成にグループ一丸となって改めて強い決意をもってあたってまいります。

以上

ページの先頭へ