ニュースリリース

2009年3月3日 
YKKグループ
― 第1次中期経営計画・第2次中期経営計画の振り返りと第3次中期経営計画(2009年度~2012年度) ―

1. 第1次・第2次中期経営計画の振り返り
(1) 第1次・第2次中期経営方針と連結業績の推移
 YKKグループでは、2001年度より中期経営計画を策定し、推進してまいりました。第1次中期経営計画は2001~2004年度を対象とし、収益基盤を強化するためにグループ全体で事業構造改革を推進いたしました。事業構造改革の成果として、建材事業の収益基盤の確立とファスニング事業の更なる伸張を図れたことにより、第1次中期経営計画の最終年度の2004年10月には、Moody'sの格付がA2に格上げされました。
 2005年度からの第2次中期経営計画では、YKKの創業75年・建材事業50年の節目にあたる2008年度を最終年度として位置付け、企業価値の更なる向上を図るためYKKグループ中期経営方針として「事業価値の更なる向上」「ブランド価値の確立」を掲げました。
 第2次中期経営計画の最終年度の2008年度の連結業績は、2008年度後半からの100年に1度と言われる世界景気後退の影響により、連結売上高は6,163億円、営業利益は223億円と利益が大幅に低下しました。特に収益面では建材事業において営業利益ベースで損失計上の状態にまで落ち込んだことが利益低下の最大の要因でありました。

(2) 第2次中期経営計画での経営目標ROA5%の進捗状況
 第2次中期経営計画においてはYKKグループの中期経営目標として「ROA(総資産利益率)5%」を数値目標として掲げ、利益はもとより資産効率にも重点を置いて事業活動を行ってきましたが、営業利益ベースでの大幅な低下に加えて、YKK APにおける事業構造改革に伴う再編引き当てと繰延税金資産の取り崩しを行ったことにより、2008年度の最終利益は339億円の純損失となりました。
 2008年度の連結売上高6,163億円は、対前年度比563億円減となり、その要因は厳しい事業環境の中で各事業の売上が落ち込んだことに加えて、連結為替換算で286億円の影響があります。売上高の減少に伴い、営業利益も223億円で対前年度比172億円の減少となりました。製造合理化に伴うコストダウンや原材料価格の高騰が一段落したことで106億円の増益効果があったものの、販売の落ち込みや連結為替換算が影響しました。純利益は339億円の純損失を計上、昨年比270億円の減少となりました。
 昨年との比較においては、YKK APにおける第2次事業構造改革に向けた再編費用の引き当てに加えて、繰延税金資産の取り崩しによる307億円の損失を計上したことが大きく影響しました。YKK APの繰延税金資産の取り崩しは、今後数年間は非常に厳しい事業環境にあるとの認識の下、早期の利益回復は見込めないとの経営判断から、2009年度からの中期経営計画のスタート前に前倒しで処理することによります。
 なお、この状況を受けて、2009年2月度より、YKK APにおいて取締役については月額報酬を10%~15%自主返上、執行役員の報酬については5%~10%減額しております。

2. 第3次中期経営計画(2009-2012年度)の考え方

(1) 第3次中期経営方針「事業価値の確立」「ブランド価値の確立」
 創業100年に向けての第一歩となる2009年度からの中期経営計画では、キッチリと安定した収益基盤を確立することが最大命題と考えています。第3次中期経営計画での中期経営方針については、第2次中期経営計画で各事業が取り組んだ新たなビジネスモデルへの参入を中心とした「事業価値の更なる向上」の中期経営方針の達成状況をベースに、「事業価値の確立」「ブランド価値の確立」をYKKグループの中期経営方針として掲げます。

(2) 第3次中期経営計画 全体数値
 第3次中期経営計画策定に当たっては、次の前提条件の下で検討を行いました。事業環境に大きな影響を与える景気動向としては、ファスニング事業、建材事業共に2009年度は大変厳しい状況が続くものの、2010年度後半以降に緩やかな回復を予測します。なお中国においては、依然として市場の拡大は続くものの、その伸び率は鈍化すると考えます。為替においては、1US$:95円、1EUR:120円、1RMB(人民元):14円を想定しております。
 本年9月のリーマン・ブラザーズの破綻に端を発した金融危機による世界規模での景気減速、更には円高等による為替の影響などにより厳しい見通しを前提として第3次中期経営計画の策定を行いました。2009年度は今年度以上に厳しい事業環境になるという想定の下、売上高5,657億円、営業利益256億円、純利益153億円を計画しています。2010年度についても2009年度と同様の見通しであり2011年度から緩やかな回復に向かうと予想しますが、2012年度の売上高は2008年度並みの水準であると考えております。この状況の中で収益重視の経営に重点を置き、2012年度に売上高6,250億円、営業利益500億円、純利益330億円を計画します。

(3) 第3次中期事業方針
  〇ファスニング事業
 第2次中期経営計画では、「伸びゆく需要への更なる挑戦」を方針として掲げ、中国を中心とした拡大する需要へ積極的な対応を行う一方で、米欧の消費国に対しては高付加価値商品の投入を行いましたが、更なる事業強化に向けてコスト競争力の更なる強化と新商品の開発スピードの一層の強化を行う必要があると判断しました。
 第3次中期経営計画では、事業方針としてこれらの課題解決に向け「商品・技術による事業競争力の強化」を掲げます。更なるコスト競争力の強化と商品力の強化に向けた取り組みを行うと共に、その土台となる技術力の強化を重要ポイントとして位置づけます。技術力の強化に向けた取り組みとして、より顧客と近い拠点で商品開発を進める地域R&D体制の強化を図り、その第1段階としてイタリアのミラノでエクセラの商品開発を行ってまいります。これらの強化を行った上で顧客の商品価値を向上させられる商品づくりを、スピードを持って進めていきたいと考えます。
 ファスニング事業中期事業計画は、2009年度で売上高2,259億円、営業利益290億円、2012年度で売上高2,600億円、営業利益415億円を計画します。
 
  〇建材事業
 建材事業における中期事業方針としては、収益基盤強化に向けて抜本的な構造改革に取り組むことが建材事業の最重要課題であり、まず「第2次国内建材事業構造改革」を掲げます。「第2次国内建材事業構造改革」のポイントは、「製造供給拠点の再編」「ロジスティクス改革」「営業業務の構造改革」「新ライン開発・改良による商品のコストダウン」などにより、国内建材事業の大幅な合理化を図ることで、その効果として2012年度に198億円を見込みます。構造改革に向けた組織の再編として、2009年度よりこれまでの商品カテゴリ別の事業部制から機能別の体制に変更し、「事業本部」「開発本部」「生産本部」の3本部体制に組織を再編します。
 窓事業については、これまで窓事業のインフラ整備を中心に取り組んできましたが、新商品投入を中心とした事業基盤を早期に確立する必要があることから、「窓事業の基盤確立」を掲げます。「窓事業の基盤確立」としては、「APW新商品の投入」と埼玉県に予定している「首都圏工場立上げ」により、窓事業の商品強化と製造基盤の強化を行い、2012年度にAPW商品の売上高として100億円を見込みます。
 海外建材事業は、第2次中期経営計画を目標である売上高500億円を1年前倒しで2007年度に達成しました。第3次中期計画では、「海外建材事業の拡大」を中期事業方針として掲げます。また、新たなビジネスモデルの確立に向けて、「グローバルファサード事業の確立」を中期事業方針として掲げます。海外各地域における建材事業の拡大を図ると共に、シンガポールに本拠地を置くグローバルファサード事業の確立を図り、海外建材事業全体の売上として2012年度630億円を計画します。
 建材事業中期事業計画として、これらの取り組みを進めることによって、大変厳しい状況となった2008年度から収益体質の改善を図り、2009年度で売上高3,348億円、営業利益で45億円、2012年度で売上高3,627億円、営業利益189億円を計画します。
 
  〇工機事業
 第2次中期経営計画では、「技術開発力の強化による価値創造」を掲げ、ファスニング事業での最強コスト設備ラインの投入、米国樹脂窓設備ラインの構築等の新たな取り組みを行ってきましたが、当初設定してきた目標を達成することは出来ませんでした。第3次中期経営計画では、設備の開発・供給を通してのグループ事業競争力の強化と、これらを支える基盤技術開発を行うための技術開発力の強化を図り、ファスニング事業・建材事業強化に向けて工機の技術開発力を高めることが必要であるため、「グループ事業競争力の向上に向けた技術開発力の強化」を掲げます。
 工機事業中期事業計画としては、グループ内事業への設備開発コストを合理化し、効率的な設備の開発・供給に力を入れます。

(4) 機能別取り組み
  〇環境経営の推進 ~2012年度CO2排出量削減目標~
 環境における取り組みとして、「国内YKKグループのCO2排出量を2012年度までに1990年度比で23%削減」を目標として掲げます。政府において地球温暖化への対応として、中期目標として2020年度にCO2排出量を1990年度比で最大で25%削減する方針が示されていますが、YKKグループでは2012年度までに23%削減する目標を掲げることとしました。
 
  〇専門役員制度の導入
 YKKグループでは1999年度に事業執行の迅速化を図ることを目的として「執行役員制度」を導入し、権限と責任の委譲を進めてまいりました。2009年度においては、高度化・多様化する事業の更なる強化に向けて、事業経営を担う「執行役員」に加え、専門性の高い技術者、スペシャリストとして事業経営に貢献する「専門役員」を新たに任命します。

(5) 第3次中期経営計画 経営目標
 今回の第3次中期経営計画での最重要ポイントとして、「売上が伸びない事業環境下でも、利益を確保する体制づくり」・「技術力の更なる強化」を掲げ、中期経営計画達成に向けた取り組みを推進します。第3次中期経営計画では、「収益基盤を確立する」ことを最大目標とし、最重点経営目標として「売上高営業利益率8%」を目指すと共に、第2次中期経営計画で掲げていた「ROA5%」を継続して目指してまいります。

以上

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