作者 |
松井 基拡 MATSUI MOTOHIRO |
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学校名 |
名古屋モード学園 |
使用アイテム |
EVERBRIGHT®、タックボタン |
作品解説 |
円をファスナーで繋ぐことで生まれる機能と造形を追求し、取り外すことで日本の伝統美である借景を表現。 ファスナーの新しい使い方を提案する。 |
受賞コメント |
本当にびっくりしました。これまで他のコンテストではデザイン画が通らないことも多かったので、今までの努力が報われたような気持ちです。最も意識したのは、ファスナーをどう使うかということ。そして日常的にも着られて、衣装映えもするデザインを心掛けました。ファスナー自体に美しさがあるので、作品全体としては派手になりすぎないように、テキスタイル選びはクセのあるものからベーシックなものまで、多くのプリントを試行錯誤してこの作品にたどり着きました。こだわったのはスカートのウエスト部分の小さい円パーツで、生地が立体的に見えるようにしました。その部分の縫製がとにかく大変で、よれた箇所をアイロンで直しながら、グラフィックの見え方も追求していきました。EVERBRIGHT® はデザイン画の段階から大人っぽいエレガントなイメージに合うと思って使用を決めていて、タックボタンは取り外しても変化をつけられることが魅力に感じました。将来は自分のブランドを立ち上げ、外見的な主張よりも知的で内側に芯があるような人に向けた服を作りたいです。 取材協力 繊研新聞社 |
作者 |
成田 英至 NARITA EIJI |
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学校名 |
名古屋モード学園 |
使用アイテム |
METALUXE® Tough、樹脂バックル(LB-Q)、タックボタン、PERMEX® Extra Type、アイレットワッシャー |
作品解説 |
樹脂バックルLB-Qの揺動・開閉という動きを人体の関節とリンクさせ、着る人をcontrolする。動作や姿勢へのアシストが得られるパワードスーツと振り子の揺動からインスパイアを受け、バックル1つで最大の動きを生み出す。 |
受賞コメント |
頑張ってきたことがこのような形で実ってよかったです。本質にこだわった制作を意識していて、たとえば今回の作品で使用したバックルはただ留めるだけではなく、"ゆらぐ"ことにも重きを置きました。1本のロープをジグザグのステッチでたたいてテキスタイルにすることで、強度やしなやかさを出しました。ロープを使ってみたのは、通常はサブとして使われているアイテムを主役としてもっと良くするにはという、視点の切り替えを普段から大切にしているからです。苦労したのはロープをアーチ型にデザインするところや、肘の部分にバックルを用いる際に、関節と同じ可動域をどうやって生み出すかという点です。最初は紙でテストするなど緻密な試行錯誤を重ねました。これからはテキスタイルにしても、シルエットにしても、どうしてそれを選んだのかをきちんと説明できる整合性をとることを大切にしながら、かっこいいもの作っていきたいです。リアルクローズとして着る人がより美しく見える服作りにも、アート的な服飾造形にも興味があります。 取材協力 繊研新聞社 |
作者 |
茶谷 愛理沙 CHAYA ARISA |
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学校名 |
名古屋モード学園 |
使用アイテム |
PLANCER® |
作品解説 |
衣服を持ち上げることで平面的な形から立体的な衣服へと変化する。PLANCER® でパーツ同士を繋げることで組み合わせが何通りもある自由な衣服になる。その変化がまるで花が開花した瞬間のような美しさや幻想的なイメージを生み出していく。 |
受賞コメント |
あまり自信がなく、他の受賞作品も素敵なものばかりだったので、名前を呼ばれたときは信じられない気持ちでした。平面から立体に変化する服というのが最大のテーマですが、最初のシルエットを崩して円形に変化させるときに、服の全体のバランスをどうとるかを考えるのが大変でした。PLANCER® を多用することで何十通り、何百通りの着方をすることができ、ひとつボタンをずらすだけでモチーフも自由自在に配置を変えて、印象を変えられるようにしました。PLANCER® の軽さを生かすために、それ以外の刺繍やパーツも軽くなるように全体の軽量化に気を配りました。PLANCER® を使ったのは、平面から立体にというアイデアを具現化できそうだったからというのがひとつ。そしてカラフルなものが好きだったので、カラーバリエーションが豊富でデザインの幅が広がることにも惹かれました。慣れてくると簡単に取り付けられるのも使ってみてからの発見でした。今後はパターンも学びながら、デザインに関わり続け、いろんな人に共感してもらえるものを作りたいです。 取材協力 繊研新聞社 |
作者 |
石川 泰生 ISHIKAWA TAISEI |
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学校名 |
文化ファッション大学院大学 |
使用アイテム |
EVERBRIGHT®、METALUXE® Tough、アイレットワッシャー |
作品解説 |
数多くのアイレットワッシャーを使用し、人体の脊髄を表現したアートピースを製作。また、コートやパンツにも人が動くために必要な機能性を出すためにファスナーとアイレットワッシャーを使用し、人体の形態美を服に落とし込んだ作品。 |
受賞コメント |
グランプリを狙っていて悔しい気持ちもありますが、2年連続でYKK特別賞に選ばれて、やっぱり嬉しいです。去年に続いて今年もアイレットワッシャーをメインに使用し、新しい使用方法として評価を頂くことができて感慨深いです。私とにかくアイレットワッシャーへの愛が強く、今回は1700個ほどを作品に使いました。首飾りはアイレットワッシャーで生地をつなげて作っています。徐々に「これはいけるかも!」をアイデアだったものが確信に変わっていく過程も楽しかったです。1次審査では「首飾りのテクニックはいいけれど洋服の部分が気になる」と講評いただいたので、テキスタイルはレーザーカッターで切れ込みを入れて、その内側でモチーフを立体的に表現しました。アイレットワッシャーは穴を開けないで取り付けられるので、ふつうのハトメと比べて作品の完成度がグッと高まるのが好きです。将来は衣装デザイナーを目指しています。立体物が好きなので、3Dプリンターなども研究しています。機械仕掛けのものや動く服が好きなので、服と言われないかもしれないけれど、追求していきたいです。その後はリアルクローズへの挑戦も考えています。 取材協力 繊研新聞社 |
作者 |
鄭 振甫 CHENG CHEN FU |
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学校名 |
文化服装学院 |
使用アイテム |
METALUXE® Tough、タックボタン |
作品解説 |
美について考えた時、外側から見えるものだけではなく、内側で全体をどのように支えるのかも重要であると思う。外側と中身の関係を考え、モチーフにした。 |
受賞コメント |
2年連続でグランプリを受賞できて光栄です。モチーフであったり、クリエイティビティーであったり、去年とは違うアプローチも取り入れながらチャレンジしたいと思って今年は応募しました。そこも評価していただけて嬉しく思います。外見だけでなく、構造にもこだわり、中身の美しさを表現するとともに、内側から全体をどのように支えるかが重要だという思いを作品に込めました。苦労したのは透明なビニールを縫っていく作業で、通常の作業の2~3倍の手間がかかり、糸のチョイスなども含めて多くの時間を費やしました。タックボタンは新しい可能性を探ってみたいと考え、ビニールを被せることで留め具として使えるようにしました。METALUXE® Toughは軽くてタフなのでバッグにとても使いやすかったです。物作りが好きなので、これからもデザイナーを目指して頑張ります。自分の世界観を伝えて、驚きや感動を与えられるようなデザインを続けていきたいと考えています。 取材協力 繊研新聞社 |
作者 |
LEE CHANHEE |
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学校名 |
文化服装学院 |
使用アイテム |
METALUXE® Tough |
作品解説 |
コンテストの対象商品を始めて見て、METALUXE® Tough の特徴を活かした作品のアイディアを考えて自分が好きなハーレーダビッドソンのエンジンの部分のメタリックでハードな雰囲気を、このファスナーで表現すれば面白いと思って制作しました。 |
受賞コメント |
信じられない気持ちでいっぱいで、とても嬉しいです。METALUXE® Toughを初めてみたとき、金属ファスナーのような重厚感に引かれ、これをメインにして作品を作ってみたいと考えました。そして自分が好きなバイクの「ハーレーダビッドソン」から着想して、そのエンジンをモチーフにしたデザインのバッグは面白いのではないかと思いつきました。このバッグは全部で11の層に分かれていて、各層をどれくらいのサイズにするのか、そしてつなぎあわせるためのファスナーの長さをどのように調整していけばエンジンのように表現できるのかなど、計算と実験を重ねました。デザインは大胆かもしれませんが、縫製は丁寧さに気を配ったので、それが結果的にエレガントだと評価していただけてよかったです。当初想定していたよりも大きなサイズになりましたが、結果的にインパクトを出せました。これからはデザイナー関係の仕事に就き、男性にむけた武骨な男っぽいデザインを生み出していきたいです。 取材協力 繊研新聞社 |
作者 |
香西 優仁 KOZAI YUJI |
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学校名 |
専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ |
使用アイテム |
EVERBRIGHT®、BELNAP® プロング |
作品解説 |
渡るものすべてを支えているアーチ橋。時代とともに姿形を変えても、昔からの役割は変わることはない。人間の足にもアーチが存在する。そのアーチは生活にも溶け込むように存在していることを実現した。付属パーツを付け替えることで様々なスタイルを楽しむことができる。 |
受賞コメント |
驚きと嬉しさが入り混じった受賞です。去年は受賞できなかったので、今年はリベンジでしたが、やるからには全力でやろうと打ち込んでよかったです。一つひとつの作業のクオリティを意識して取り組みました。とても時間がかかって大変でしたが、振り返ると自分のためにもなったと、胸を張れる作品になりました。特に苦労したのはヒールの部分です。一度粘土で形を作り、その後にシリコンで型を作り、樹脂を流し込んでいく…という作業なのですが、この形状に辿りつくまでに何度もトライアルを重ねました。また3wayの履き方ができるようにBELNAP® を使い、靴の形を変えられるようにしたのですが、縫製するときにミシンが通らないので、手縫いしていくのにも苦労しました。将来は独立して、アパレルからシューズまでトータルで揃うブランドを自分で立ち上げられるようになりたいです。こう見えて家族を愛しているので、そこから何か着想したような、ハートフルなブランドを届けていきたいと考えています。 取材協力 繊研新聞社 |
作者 |
市野 りお ICHINO RIO |
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学校名 |
愛知文化服装専門学校 |
使用アイテム |
click-TRAK®、GreenRise®、FLATKNIT® AquaGuard®、POWERHOOK® |
作品解説 |
電車に乗るたびに気温の寒暖差に悩んでいた自らの体験から、こんなアイテムがあったらいいなと思うものを考えた。それは、自分自身がほしいと思うスマートに体温調節ができるアイテム。家から学校、学校から家まで帰ることを想定しながらデザイン、制作した。 |
受賞コメント |
普段は服作りをしているので、アパレルをやっているからこそのこだわりを作品にたくさん詰め込み、それが受賞につながったことが嬉しいです。売られている鞄を手当たり次第に買って分解したり、友人たちに鞄をみせてもらったりと鞄の構造を学ぶところからのスタートでしたが、こうして自分自身が納得する形にすることができ、とてもよかったです。YKKのファスナーは日常に寄り添ったものが多いので、私も着用シーンやシーズンを意識して、自分が欲しいものを作品にしました。春夏の通勤通学シーンを想定して、電車でつり革を握るときにつっぱらないデザインにしたり、自転車を乗るときのためにUVカットの機能を付けています。click-TRAK® は片手で容易に外すことができるので、電車内でも周りを気にせずにすぐに着脱できるなと考えて、使用しました。着る人がフラットな気持ちで背伸びしなくてもいいようなデザインも心掛けました。将来は職人とデザイナー、この2つを両立できる人間になりたいです。 取材協力 繊研新聞社 |