アパレル部門

グランプリ作品名:Time Vortex

作者
行廣 賢太 YUKIHIRO KENTA
学校名
香蘭ファッションデザイン専門学校
Instagram
@yukihiro.84
使用アイテム
EXCELLA®、タックボタン、リベットバー
作品解説
デニムには経年変化による時間の流れが美しく顕著に現れる。その時々に唯一無二の美しさを放つデニムは、まるで理想の自分を探して時間の渦を旅しているかのよう。そんなデニムのようにどんな時も自分だけの魅力を求め行く人間になりたいという思いを込めて制作した。
受賞コメント
大変嬉しく光栄な気持ちです。審査員やファスニングアワード関係者の皆様を始め、普段から指導してくださっている先生方やいつも支えてもらっている家族に感謝の気持ちでいっぱいです。
デニム生地とファスニング商品を効果的に組み合わせてシルエットを作り出す工程に苦労しましたが、ひたすらパターンとトワルに向き合い試行錯誤を繰り返し、時間を惜しまず作業して乗り越えました。タックボタンはシルエットに変化をつけるため、リベットバーは補強とコンセプトを表現するタイムマシン的な装飾のために使用しました。いずれもデニムと歴史的に深い関係があり、ファスニング商品を使うことで飾り気のない美しさを意識しました。ジャケットの袖底にはEXCELLA®を忍ばせており、袖の可動域確保とシルエット補強の役割を持たせています。
デニムの素材加工には多くの排水が生じますが、今回の作品制作では排水を出さずにどのように経年変化・時間の流れを表現するかを考えました。デニムの渦を手作業で作り出すことで、排水や環境へ負担をかけることなく時間の流れを表現できたと思います。環境にも配慮されたオリジナリティのあるクリエ―ションが今後の活動に必要だと学びました。また、このコンテストを通して学んだ洋服におけるファスニング商品の無限の可能性を今後の活動に活かしていきたいです。
将来は、世代や性別を問わず「この洋服を着たい」と感じてもらえる、生活に寄り添う洋服を届けていきたいです。海外のコンテストや留学にも意欲があります。今の情勢を踏まえ、まずは国内で作品をつくり海外のコンテストに挑戦したいと思っています。

優秀賞作品名:PROTECT PROJECT

作者
KIM BOBAE
学校名
東京モード学園
Instagram
@staycool6
使用アイテム
AquaGuard® メタリック調フィルム、PLANCER®、アイレットワッシャー
作品解説
通気性が良くないレインコートの欠点を補うためにAquaGuard®を使用。ファスナーを閉じたときは防水機能を発揮し、開けた時は内側のメッシュ素材が通気口になり風通しが良いようにデザイン。スポーツウェアの形にすることで活動性を高めた。
受賞コメント
貴重な制作の機会をいただいて感謝しています。75日間、色違いで2着制作したので苦労しましたが、自分のデザインが認められたようで嬉しいです。
シンプルに見えますがパターンにこだわり、何度もトワルを組んでシルエットを調整しました。ポケットや袖、パンツの螺旋状の切替などディティールのパターンには特にこだわっています。中でも、顔にフィットする立体のパターンが必要なヘッドパーツの制作や裏地の縫製に苦労しましたが、自分の作品に愛情があるので乗り越えられました。
AquaGuard®ファスナーを閉めると防水機能を高め、開くと内側のメッシュ素材を通して通気性が良くなるようデザインしました。ジャケットの前立てのファスナーを閉め、さらにその上からPLANCER®をとめることでよりプロテクト機能を高めています。帽子、袖、パンツの裾に取り付けたアイレットワッシャーにゴム紐を通して閉めるとバルーンシルエットになり、活動性を高めています。靴は普段つくっていませんが、デザイン画のデザインを忠実に実現できるように似た商品を探し出し、リメイクしました。
洋服をデザインするときには機能性を一番大事にしています。自分の生活や経験の中で「こうだったらいいのに」と思ったところからデザインを考えています。今回のコンテストで自分のデザインに自信を持つことができたので、自分のデザインを信じて時代の流れをよく読んで、世の中にファッションを通してメッセージを発信していきたいです。

審査員特別賞作品名:Power to walk

作者
苗 田 MIAO TIAN
学校名
名古屋モード学園
Instagram
@miaotian4258
使用アイテム
METALUXE® Tough、タックボタン
作品解説
タックボタンを組み合わせて機能性の変化を持たせたスタイルを制作。エレガントなシルエットとメンズライクな雰囲気を与えるデザインにした。
受賞コメント
自分の知識と技術を繋げた作品が制作できたと思います。授賞できてとても嬉しいです。
YKKの文字をアレンジして刺繍機で制作した8種類の刺繍が一番難しい箇所でした。学校の先生からアドバイスをいただきながら何度も作品を見ながら修正し、最後まで諦めず作品を仕上げることができました。
格好良い雰囲気のデザインが大好きなので、外観が格好良く作品に一番フィットすると思ったタックボタンとMETALUXE® Toughを使用しました。ファスニング製品を組み合わせ、日常生活でも着やすいような機能性を保ちつつ、形を美しく変化させられるようにデザインしました。
将来の夢はファッションデザイナーになることです。今回の良い経験を活かして新しいデザインにも挑戦して一生懸命頑張りたいです。

YKK特別賞作品名:SEA BALL~KAIHOU~

作者
石川 泰生 ISHIKAWA TAISEI
学校名
文化服装学院
Instagram
@ya_su_o_
使用アイテム
アイレットワッシャー、NATULON® コイルファスナー裏使い
作品解説
壮大な海に生息する海藻や生物と1980年代のボールカルチャーの生き方に強く繋がりを感じた。ウミウシや海藻などが持つ柔らかい流動性や個性ある色、形。それらとランウェイを華やかに歩く男性像を重ね合わせ、内側から溢れる美をアイレットワッシャーで表現。
受賞コメント
入学当初からYKKファスニングアワードのような大きなコンテストで賞を取ることが夢だったので、今回YKK特別賞をいただけて本当に嬉しかったです。もちろんグランプリを目指して頑張っていましたが、大谷社長からアイレットワッシャーでフリルを表現する人を初めて見たとの講評をいただいて、私にとって一番意義のある賞だと思いました。
YKKのボタン取付機械では穴開けと取付けを同時に行う「セルフピアッシング」ができるので、その工程から着想を得たことがアイレットワッシャーを使うきっかけでした。アイレットワッシャーを大量に付けることで重みが出るのですが、ドレス自体をコルセットで身体に密着させて、着た時に重みを感じさせないように工夫しました。重みが加わった時に立体的な造形ができるように裁断も工夫しています。
今回の作品のターゲットイメージは「ドラァググイーン」さんなので、これを着てダンスをする時の肌あたりが良くなるよう、ドレスの土台にはキルト芯やダンボールニットも組み合わせ、弾力を持たせました。
将来の目標はドラァググイーンや歌手の衣装を制作することです。見る人を圧巻する衣装を作りたいと思っています。

ファッショングッズ部門

グランプリ作品名:SHIELD

作者
鄭 振甫 CHENG CHEN FU
学校名
文化服装学院
Instagram
@zzfuzzfu
使用アイテム
EXCELLA®、AquaGuard® メタリック調フィルム
作品解説
新型コロナウイルスの影響で新たなルールが作られ、生活が見直されている。そこから着想を得てこのアイテムをデザインした。フェイスシールド、チェストバッグ、ベスト、フォンホルダーを再構築した、日常の様々なニーズに応じて組み合わせられるファッションアイテム。
受賞コメント
素晴らしい賞をいただき誠にありがとうございます。作品が審査員の方々に評価していただけたことを大変嬉しく思います。
革の技術とフェイスシールドを組み合わせることでファッションとして面白い作品ができるのではと通常の「鞄」ではなく斬新な作品の制作に挑戦しました。この作品はレザーベストとフェイスシールドの結合にファスナーを用いていますが、結合部は大きくカーブしているため縫製に苦労しました。素材に関しても防水機能のある革を選択しましたが、限られた色数の中での色選びが難しかったです。
AquaGuard® メタリック調フィルムのテープ裏面に革を接着することでデザインの統一感を出しています。普段、革を使用して作品を制作することが多く、高級感のあるEXCELLA®を選択することが多いです。今回初めてAquaGuard®を使用し、撥水性のある良い製品だと感じました。防水機能を持たせる作品の制作に引き続き使用したいと考えています。
今後はファッショングッズ専攻科に進学しデザイナーを目指します。長く使用でき、地球に優しい素材を使用したものづくりをしていきたいです。

優秀賞作品名:cask

作者
金山 大智 KANEYAMA DAICHI
学校名
文化服装学院
Instagram
@daichi_0130
使用アイテム
EXCELLA®、樹脂バックル(LB-S)、PERMEX® Extra Type
作品解説
古来より人は、物を樽に詰めて保存してきた。ウイスキーもそのうちの一つである。ウイスキーは長期に渡って樽の中で眠り熟成するが、その熟成には数多の種類の樽が使用される。長年使用された樽の持つ風合いと曲線美を「グッドイヤーウェルト製法」という伝統的な靴の製法で表現した。
受賞コメント
YKKファスニングアワードは1、2年の頃から学校の課題で参加していましたが、毎年すごくたくさんの応募が寄せられるコンテストでまさか自分が受賞するとは夢にも思っておらず、とても嬉しいです。ただ、この作品に自信があったのでグランプリを取れず悔しい気持ちもあります。
実際に履きながら、履いて歩ける限界の大きさ、ボリュームを出すことにこだわり制作しました。ラスト(木型)は通常、片足を制作したらもう片方を工場へ依頼し3Dスキャンして両足分を用意するのですが、時間もお金も限られていたので両足とも一から自作しました。ラスト作りに時間がかかり、それからパターンをとったので、どこかの工程でミスをしたら作品が提出できなくなってしまう状況で、夏休みはコロナの影響で休校になってしまったこともあり、時間管理がシビアでした。
一次通過から作品提出の締切まで、この作品のアイデアを具現化することだけを突き詰めてきたので、ものづくりに対する精神が養われたと思っています。また、ものづくりを好きな気持ちが今回のコンテストをとおして再認識できました。

審査員特別賞作品名:shutter speed

作者
中島 萌 NAKASHIMA MOE
学校名
文化服装学院
Instagram
-
使用アイテム
NATULON® メタルファスナー
作品解説
カメラのシャッタースピードを落として街を写すと写真には何本もの光の線が走る。ビルや道路、人々がその光に切り裂かれるようで、新しい表情を見せる。帽子も同じように金属ファスナーによって切り裂いて別々にかぶることができるように考えた。
受賞コメント
YKKファスニングアワードで帽子が受賞した例があまりないと思うのでとても驚きました。最終選考を通過したときも驚きましたが、まさか受賞できるとは思っていませんでした。
帽子の淵になる重なる2つの円をNATULON® メタルファスナーで挟み、カーブを縫うのがとても大変でした。制作期間中、コロナの影響で思うように学校で指導が受けられなかったため悩みながらも自力でファスナーを取り付けました。ファスナーの操作性が悪くなってしまわないよう縫い付けの角度には特に気を遣いました。カメラの「shutter speed」を落とすことで現れる光の線を金属ファスナーで表現しようと思いNATULON® メタルファスナーを使用しています。
YKKファスニングアワードという機能性を求められるコンテストで作品を制作する中で、これまで自分はものをつくるときに機能性をそこまで重要視してなかったことに気がつきました。使う人のことを考えた機能性は、どのようなアイテムでも必要だと思うので大変勉強になりました。将来は帽子業界で就職できたらと考えています。

YKK特別賞作品名:Gen-Z

作者
竹井 雅孝 TAKEI MASATAKA
学校名
専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ
Instagram
@_take_masa_
使用アイテム
AquaGuard® メタリック調フィルム、POWERHOOK®
作品解説
現代の若者たちは「Z世代」と呼ばれる。個性を尊重しお互いを認め合う姿勢とSNSなどを使用し世界中の人へ発信する力を併せ持つ「Z世代」の考え方こそ、未だに様々な差別が残る世界で必要だ。Z世代が世界を変える一歩を踏み出すシューズを提案する。
受賞コメント
コンテストでの受賞が初めてなのでとても嬉しいです。制作をとおして色々な方にアドバイスをいただきました。学校の先生方やクラスメイトにも感謝を伝えたいです。
学校の通常授業と並行しての作品制作が大変でした。授業がない日も学校で作業するなど空いている時間を積極的に使いました。
普段デザインする時に、機能をどれだけデザインに落とし込めるかを考えています。AquaGuard® メタリック調フィルムは審査対象アイテムの中で一番インパクトのある外観であることに加え、撥水機能もあり、見た目と機能性を兼ね備えている点を魅力的に感じたので使用しました。POWERHOOK®は付け替えパーツに使用し、ファスナーだけでは難しい付け替えをより簡単にしています。
個別講評では審査員の先生に「スポーツメーカーに置いてあっても違和感がない」とお言葉をいただきました。スポーツメーカーのフットウェアデザイナーを目指しているので嬉しかったです。スポーツマンだけでなく、スニーカーやスポーツウェアが好きな方のために、より生活や運動がしやすいシューズをデザインしていきたいです。
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